「世界肝炎デー」に思う

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「世界肝炎デー」に思う

「世界肝炎デー」に思う

2022/07/30

人体最大の臓器とは?

 うだるような暑さが続き、心身ともに気怠さが続いている方も多いと思います。
どこがどう調子が悪い、というのでなくとも、そんな時にはカラダ中の臓器が
くたびれながらも、懸命に踏ん張ってくれているものと考えられます。 

 ところで、人体の臓器の中で、最も大きい臓器ってなんだか知っていますか?
それは・・・肝臓(かんぞう)です。

 肝臓は、腹部中央部から脇腹・背面にかけて、右の肋骨の下あたりに存在しており、
その重さは体重の約50分の1を占めます。

 そして「人体の化学工場」と言われることからもわかるように、
実に 500以上もの働きを担っている重要な臓器です。
蛋白の合成・栄養の貯蔵、有害物質の解毒・代謝、胆汁の合成・分泌などの他に、
血液と非常に関わりの深い臓器でもあります。

 レバーを食べたことがある人ならおかりでしょうが、肝臓は血の色をしています。
それは、臓器の中で、最もたくさんの血液を貯蔵しているからですが(東洋医学の用語で「蔵血」)、
止血に必要とされる15種類の止血因子の大半の産生も担っています。

    このようにマルチな働きをする肝臓ですから、人工臓器では代替することができません。

  「肝腎要(かんじんかなめ)」という言葉もあるように、
腎とともに生命維持を支える”肝”となる臓器なのです。

 健康で長生きするためには、「肝」と「腎」の養生が「肝腎」なのです。

肝炎の種類

 そんな肝臓ですから、弱ったり病んだりすると、全身に影響を及ぼすことにもなってしまいます。

 しかし、「沈黙の臓器」と言われることからもわかるように、肝臓は非常に我慢強く、
多少の不調があっても、仲々、自覚症状としては現れません。
そのため、気付いた時には手遅れになってしまっていることも少なくないのです。

 予後の悪いがんの一つに肝臓がんがありますが、これも早期発見が難しいこととも関係があります。
その「肝臓がん」の大半が、ウイルス性肝炎(B型・C型)に起因すると言われています。

 ウイルス性肝炎には、A型、B型、C型、D型、E型 があることがわかっていますが、
A型・E型肝炎ウイルスは、主に水や食べ物を介して感染します。
つまり、食中毒に近いような感じでしょうか。

 それに対し、B型・C型・D型肝炎ウイルスは、主に血液・体液を介して感染し、
感染症法では、第五類感染症(全数把握対象)に定められています。

 つまり、肝臓がんは「感染症」と考えることもできるわけですね。


 肝炎には、ウイルス性肝炎の他、
肥満、糖尿病、アルコール過剰摂取などによる脂肪性肝炎(脂肪肝)や
自己免疫性肝炎などがありますが、これらもB型、C型肝炎同様、
肝硬変へと進展し、肝がんを併発する場合があります。

 また、EBウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウイルス、
コクサッキーウイルスなどの肝炎ウイルス以外のウイルスに感染した場合も、肝炎を引き起こすことがあります。
頻度が高く、肝炎が主兆候を示すのはEBウイルス、サイトメガロウイルスです。

肝炎から身を守るために

    肝臓という生命維持活動においてとりわけ重要な臓器を侵し、
肝硬変や肝がんへと進行する恐ろしい病=「肝炎」の予防・早期発見の推進や啓発のために、
世界規模での取り組みが行われています。

    世界保健機関(WHO)は、2010年に世界的レベルでのウイルス性肝炎のまん延防止と
患者・感染者に対する差別・偏見の解消や感染予防の推進を図ることを目的として、
7月28日を "WorldHepatitis Day" (世界肝炎デー) と定め、肝炎に関する啓発活動等の実施を提唱しました。

 日本でもこれに呼応した取り組みとして、7月28日を日本肝炎デーと定め、
国及び地方公共団体、医療団体や事業主団体等の協力を経て、
肝炎の病態や知識、予防、治療に係る正しい理解が進むよう普及啓発を行うとともに、
受診勧奨を推進しています。
(厚生労働省「知って、肝炎プロジェクト」より https://www.kanen.org/project/about/)

 今年度は、【知って、肝炎プロジェクト 世界・⽇本肝炎デー2022】
 〜 肝炎のない世界を⽬指して、更なる肝炎対策事業の推進を決意︕ 〜
 が、2022年7⽉25⽇(⽉)に東京で開催されました。

 

 ウイルス性肝炎は、血液検査で簡単に発見することが可能です。
献血の際に、偶然発見されることもあります。
「沈黙の臓器」肝臓が自覚症状を呈してから受診するのではなく、
定期検診や人間ドック等の際にも、肝機能検査項目(AST,  ALT, Γ-GTP など)を
オプションで追加するなどして、日頃から肝臓の状態を気に掛けておくことが、
早期発見につながります。

 また、B型肝炎ウイルスの存在は、IgM-HBc抗体を検出することにより診断します。
 C型肝炎は、HCV RNA又はHCVコア抗原の検出により診断する方法が多く用いられます。
可能であれば、これらの検査項目についても追加して、
肝炎ウイルス感染の有無を把握するようにしておくことをお勧めします。

 

 今でこそ、B型肝炎もC型肝炎も、有効な治療薬が次々と登場していますが、
特にC型肝炎は、つい最近までは特効薬というほどのものはなく、
 慢性化から20-30 年かけて肝硬変、肝臓がんへと進行する ”不治の病” でした。

 何を隠そう、この私も、かつて輸血によりC型肝炎に罹患し、長年、闘病を経験しました。

 罹患当時はまだ、A型でも B型でもない正体不明のウイルスとして
「非A非B 型肝炎」と呼ばれていた頃で、ウイルスの性質も何も解明されておらず、
当然治療など見込めないという時代でした、

  1988年、米国カイロン社が輸血後非A非B 型肝炎の原因ウイルスの遺伝子の一部を
発見することに成功し、C型肝炎ウイルス(HCV)と名付けられたのです。

 正体がわかった後は、このC型肝炎に対する各種診断技術が開発され、
血液スクリーニングに導入されたため、輸血によるC型肝炎の発生はほとんど見られなくなりました。

 つまり、輸血を受けるのがあと数年遅かったら・・・
私は C型肝炎で苦しむことにならずに済んだのです。

 私は人生の半分を、10代で罹患した肝炎とともに生きてきたわけですが、
そのために若き日に抱いた幾つもの夢を断念することとなりました。

 また、この病はかつては社会的にも理解されておらず、
口では説明できないような、幾多の辛く苦しい経験もしてきました。
他人にうつす病として忌み嫌われ、いずれ死に至る病として恐れられ、
結婚差別や就職差別を受けた人も数知れず .... と聞いています。

 そんな C型肝炎も、今から数年前に開発・承認された飲み薬によって、
入院もせず治ってしまう病となりました。

   胃がんの原因となる H.Pyrorii(ピロリ菌)の発見及び除菌法の確立により、
胃がんを発症する人が減ってきているように、
肝臓がんで命を落とす人も減少していくことでしょう。

 しかし、やはり肝炎ウイルスに罹患し、それが体内で増殖してからでは
身体も辛く、日常生活にも支障が出ることになりますし、
他人にうつす可能性も高くなってしまいます。

 だからこそ、健康に自信のある方でも、「自分に限って・・」などと思わずに、
機会あるごとに血液検査を受けて、早期発見につなげてほしいと切に願うところです。

肝臓を大切に!

 検査で「肝炎」を発見することより、もっと大切なこと、
それはいうまでもなく、日頃から肝臓を労り、負担をかけない生活を心掛けることです。

 口から食物や薬を摂取すると、胃や腸だけでなく、必ず肝臓にも負担がかかります。
ですので、食品添加物、アルコール、タバコ、薬、など、
肝臓への負担の大きいものをできるだけ口にしない生活が理想的なのです。
 

 もしも、ちょっと肝臓がくたびれているかも、と感じた時には、
肝臓に活力を与えてくれる食材を摂取して、エネルギーチャージしてあげましょう。

 中でも私のイチオシは、"しじみ"です。
私は、しじみの栄養成分をギュッと濃縮した”しじみエキス” によって
命を長らえることができた、とさえ思っているほどです。

 C型慢性肝炎と闘っていた約 30年間、肝臓を補強する医薬品は一切服用せず、
”しじみエキス” を常備し、愛用していましたが、
肝機能の指標である AST, ALT 等の数値が高くなりかけた時には、
”しじみエキス” を多めに服用すると、嘘のように数値が元通りになる、
という経験を何度もしています。

 もちろん、生のしじみを買ってきて、調理し、
味噌汁その他のメニューにして食べるのも好きでしたよ。
美味しいだけでなく、肝臓のあたりが、スーッと楽になるのを感じたものです。


 しじみは、中医学(薬膳)的には寒性の食材で、余分な熱を覚ます働きがあります。
味は鹹・甘、そして胃・肝・腎に帰経し、水分代謝を促進したり、解毒を助けてくれます。

 つまり、効能としては「清熱解毒」ということになりますが、
これは肝臓疾患のみならず、がんなどの病にも適用される中医学の治法です。

 しじみの効能や、しじみを使ったメニューについては、以下のサイトが参考になるでしょう。

 日本シジミ研究所 https://sijimi-lab.jp/

 

  肝炎で苦しむ人が、1日も早くこの世からいなくなりますように。。。

 

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