『7月7日』に考える

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『7月7日』に考える

『7月7日』に考える

2023/07/08

「7」の持つ意味

 早いものでもう7月。
今年も半分が終わってしまったと考えると、ちょっと焦りを覚えると共に、
子供の頃の夏休みの思い出や、夏に各地で開催される楽しいイベントが
頭の中を駆け巡って、ワクワク感も抑えられない私です。

 そして、7月7日は「7」が2つ重なる日です。

 

 「7」という数字には、
良いイメージを抱いている人の方が多いのではないでしょうか?

 それはおそらく「ラッキーセブン」から来ているものと思われますが、
この言葉は英語ですので、もちろん西洋が発祥です。(笑)

 1885年9月30日のアメリカ大リーグ戦で、
シカゴ・ホワイトストッキングス(現シカゴ・カブス)の優勝がかかった試合の7回に、
同チームの選手が打ち上げた平凡なフライが強風に吹かれてホームランとなり、
これが決め手となって優勝を決めたことから、
勝利投手となったジョン・クラーソンがこの出来事のことを「lucky seventh」と語り、
それが「ラッキーセブン」が一般的に使われるようになった発端であると言われています。

 

 しかし、西洋で数字の「7」が良い意味で特別な数とされるのは、
上記の出来事よりはるか昔、旧約聖書の『創世記』に、
「神が天と地と万象とを6日間で創造し、7日目を安息日(休息日)とした。」
と記されていることに基づくといわれ、
1週間を「7日」とする習慣も、これにより定められたとされています。

 「7」は聖なる数として扱われているため、「7大陸」や「7つの海」という言い方には、
「全ての」という意味合いが込められているものと考えられます。

  そして、「七つの大罪」の「罪」とは、カトリック教において、
ヒトを罪に導く可能性があると見なされてきた邪欲や良くない感情を言い、
具体的には「高慢」「物欲」「嫉妬」「怒り」「色欲」「貪食」「怠惰」を指します。

   さらに、ローマ教皇庁は 2008年3月に、
「遺伝子改造」「人体実験」「環境汚染」「社会的不公正」「貧困」
「過度な裕福さ」「麻薬中毒」を新たな七つの大罪として発表しました。

  また、七元徳(しちげんとく)とは、
カトリック教の教義における7つの基本的な徳を指しますが、
それは、古代ギリシアの「知恵」「勇気」「節制」「正義」の4つの枢要徳に、
新約聖書の『パウロの手紙』にある「信仰」「希望」「愛」の3つの徳を加えたものです。

 

 このように考えてみると、「7」という数字は、
実に深い意味を持つ、特殊な、聖なる数字であるとうなずけます。

  では、日本を含む東洋で、
「7」という数はどのようにとらえられているのでしょうか?

 

 

東洋における「7」

  東洋や我が国においても、実は「7」のつくものはいろいろあります。

 七福神、七草がゆ、七五三に、七味唐辛子、なんてのもありますね。
七味唐辛子は唐辛子を中心に7種類の生薬を配合した、江戸・薬研堀発祥の香辛料ですが、
どんな料理にでも合うと、今や海外でも大人気のようです。

 

  また、「7」という数字は、私たちの生命やカラダとも深い関わりがあります。
7つのチャクラ… もそうですね。

 そして、特に女性のカラダは、東洋医学では
7年周期で変化が訪れるとされています。

 中医学の古典である「黄帝内経」によると、女性は

 七歳で永久歯に生え変わり、髪が伸び、
 十四歳で初潮を迎え、
 二十一歳で身体が成熟し、
 二十八歳で最高潮に達し、
 三十五歳で容姿や機能が衰え始め、
 四十二歳で白髪が目立ち始め、
 四十九歳で閉経を迎える、
 五十六歳で体力の低下や目の衰えが見られ ...

とされています。

 

 また、女性の月経や、お肌のターンオーバーの周期も
28日であることはご存知ですよね、
もちろん、多少の個人差はありますが ...

 

 こう考えると、やはり「7」という数字は、
特殊で、神聖な数字であることを認めざるを得ませんね。

7月7日は・・

 伝統的な年中行事は、三月三日の桃の節句や、五月五日の端午の節句など、
奇数が重なった日に多くありますが、これは、節句が
古代中国の「陰陽五行」論に基づいて生まれたことに関係しています。

 陰陽五行の思想では、奇数は縁起の良い「陽」、偶数は縁起の悪い「陰」とされています。
一月七日「人日(じんじつ)」、三月三日「上巳(じょうし)」、五月五日「端午」、
七月七日「七夕(しちせき)」、九月九日「重陽(ちょうよう)」の五節句は、
奇数同士を足して偶数になる日は「陽から転じて陰になりやすい」とされていたことから
「大変めでたい日」とされていた一方、「陽の気があまりに強すぎて不吉である」とも考えられ、
邪気を祓うために厄除けや禊が行われていました。

 それが、節句行事の始まりとされています。
しかしやがて、不吉であるという考えは薄れ、「縁起の良い吉祥の日」として、
江戸幕府によって暦に制定され、全て祝日とされました。

 しかし現在、五節句のうち、祝日として残っているのは、
五月五日の「端午の節句」、そう「こどもの日」だけです。

 「陽」の数字を取り入れた典型的な行事が七五三です。
十一月十五日は旧暦の陰陽において何事も吉の日とされており、
江戸時代に縁起担ぎを好んだ武家によって、古来の成長儀礼が行事として確立されました。

 

 そして、奇数の中でも特に聖なる数である「7」が重なった7月7日は、
「たなばた祭り」と呼ばれるならわしがありますが、上述のように、
正確には「しちせき」という節句であり、 7月7日夜に行われる”星まつり”を指します。

 7月7日に最も光り輝くとされる こと座のベガ(織姫)と、 わし座のアルタイル(彦星)
が、1年に一度、天の川を渡って再会できるロマンチックな日とされ、
この日にデートをする若いカップルもいるようですね。

『笹の葉さ〜らさら のきばに揺れる お星様キラキラ 金銀すなご・・』

と歌いながら、短冊に願い事を書いて笹竹に吊るした、子供の頃が懐かしいですね。

 笹竹は 生命力が強く、中が空洞になっていて神が宿っていると考えられており、
神聖なものとして扱われていたそうです。
またまっすぐ天に向かって伸びていくことから、願い事が星に届きますように・・
と言う意味合いも込められ、この行事に使われるようになったと言われています。



 ところで何故「しちせき」が「たなばた」と読まれるようになったのかについては、
神様のために着物を織るときに使われた機織り機「棚機(たなばた)」に
ちなむとされています。

 べガ(織姫)は裁縫を司る星なので、中国ではこの日、
庭に裁縫道具を供えて、裁縫の上達を星に祈ったそうですが、
日本でも奈良・平安時代の貴族たちの間で宮中行事として、
七夕に女性が機織や裁縫をはじめとする
芸事の上達を願うようになったと言われています。

 七夕には供え物をしたり、里芋の葉にたまった夜露を集めて墨を摺って
「梶の葉」に歌を書いたりしていたそうですが、
これが、江戸時代に始まった伝統行事、笹飾り(短冊)の原型と言われています。

 

 聖なる数字「7」が重なった節句の日は、本来、こういう日だったのですねえ。
七夕シーズンにあちこちで目にする笹飾りの風習は、
現在も夏の風物詩となっていますね。

 

 ところで、五節句には今もそれぞれ、その日に食べるとされる食べ物がありますが、
7月7日には何を食べるのでしょうか?

 昔、七夕にはそうめんの原型とされる「索餅(さくべい)」がお供えされていました。
小麦粉と米粉を混ぜ合わせて作られますが、
織姫は、織物が得意だったということから、
「糸の束」に見立てた今の素麺のような形にしたという説や、
天の川に見立てたという説があります。
現在も地域によっては、七夕にはそうめんを食べる文化が残っています。

 暑くてジメジメしたこの時期、あまり食欲が進まなくても、
冷たいそうめんなら、気持ちよく喉元を通り過ぎてくれますよね。

 また、「笹」に因んで、笹寿司や笹かまぼこを食べる地域もあるようですし、
縁起の良い具材を使ったちらし寿司を食べる地域もあるようです。

 しかし、やはりこの時候だからこそ、
ゴーヤ、ピーマン・万願寺とうがらしなどの緑黄色野菜や、
かんぱち、きす、たちうおなどの旬の魚を上手に食卓に摂り入れ、
来る酷暑の季節を乗り切る体力を備えたいものです。

 

 

 ところで、今年は2023年ですが、2+2+0+3=7となります。

 「7」という数字は、神聖なだけでなく、前出のように「全て」をも意味します。
 また、良い意味での変化や変容を表すとも考えられています。

 タロットカードの小アルカナでは、
7本の杖が空に向かって描かれたカードがありますが、
これは立場が明確になり、問題解決に至ることを意味しています。

 

 2023年は後半が始まったばかり。
これから先、良い意味での変化・変容がありますように・・・
全ての人が、状況打開しながら問題解決していく年となりますように・・

と祈る、「7」月生まれの私なのでした。

 

 

< 出典 >

ニッセイ基礎研究所
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=64597?site=nli

ウチコト
https://tg-uchi.jp/topics/5924

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