新嘗祭とパワースポット
2021/11/29
去る 11月 23日は、今年最後の祝日「勤労感謝の日」でした。
元々この日は、労働者に感謝するために作られたのではなく、
農作物の収穫をお祝いする日であり、新嘗祭(にいなめさい)と呼ばれていました。
https://shizenika.com/column/detail/20201123154603/
新嘗祭(にいなめさい)は、古くから天皇家に伝わる伝統行事であり、
『農作物の恵みを感じつつ、収穫した農作物を神様にお供えし、天皇に食べて頂く。』
ために行われるのですが、
思いがけず、その新嘗祭に参列する機会を得ることができました。
新型感染症流行の影響で、中止となる行事が多い中、
ありがたいことだと思い、防寒対策をしっかりして出掛けました。
向かった先は、奈良県にある橿原神宮です。
最寄りの橿原神宮駅まで、我が家からは、
近鉄南大阪線の急行一本で 40数分で行くことができます。
かつては、大晦日の夜中に家族で初詣に行ったこともありました。
全国に「神社」は多かれど、「神宮」を名乗ることが許されているのは、
皇室の祖先を祭神として祀っている神社か、皇族と縁の深い神社のみであり、
全国的に見てもそう多いわけではありません。
伊勢神宮を筆頭に、明治神宮、熱田神宮、鹿島神宮、鹿島神宮など、
由緒ある蒼々たる神社ばかりです。
そのうちの一つである橿原神宮は、
初代天皇である神武天皇が祀られており、最古の神社とも言えます。
朱色ではないダブルの鳥居が有名な橿原神宮は、
大和三山のひとつである畝傍山の東南麓にあります。
明治23 (1890)年、神武帝が造営し、即位した場所とする「日本書紀」の記述を基に
この地に創建されました。
京都御所の内侍所を移築した本殿(重要文化財)には、手前に内拝殿、外拝殿があります。
午前11時、内拝殿において、厳かな雰囲気の中、新嘗祭が始まりました。
この日は、強烈な寒波が到来し、今秋一番の冷え込みとなりました。
そのような中、屋外に貼られたテントの中で、1時間以上に及ぶ儀式を拝見するのは、
正直、行(ぎょう)のようなものでした。 (笑)
とにかく、寒さとの闘いでしたが、凍えそうになりながらも、
貴重な体験なので、最後までしっかり座って見ていましたよ。
舞の披露も見事でした。
最後は、『新型コロナウイルス感染症が、このまま終息してくれることを願う。』
という意味のご挨拶で締めくくられました。
不思議なことに、この鳥居をくぐりながら歩いている時や、
神殿の前で拝んでいる時には、全く寒さを感じなかったのです。
それどころか、身体はほんのり暖かく、
頭は研ぎ澄まされたような感じがして・・・
やはり、強力なパワースポットならではの現象でしょうか。
さっきまでの厳か(かつ凍えそう)な場とは別の、不思議な世界に来たような、
一瞬、そんな感覚にさえ陥りました。
もしかしたら、私に取り憑いていたかもしれない霊が、
無事成仏してくれたのかしら ...
直會とは神さまにお供えした御神酒や神饌を祭典終了後にお下げして、
参列者の方々で共にいただくことを言います。
神さまと同じ物をいただくことで、そのご加護を受けられるとされています。
今回、新嘗祭の直會として、お弁当とお神酒、それに紅白の薯蕷饅頭をいただきました。
本当は、深田池のほとりで、野鳥の群れなど眺めながら、
神様に感謝を込めて、いただいたお弁当を口に運ぶなんて風流、
パワースポットの目の前でもあるし、
それでご加護とエネルギーを頂戴できれば一石三鳥・・などと目論んでいたのですが、
あの寒さでは、とてもそんな気にはなれず・・・
こごえながら帰宅した後、直會一式に手を合わせてから、そぉーっと開けてみたところ、
こんな豪華なお弁当でした。本当にありがたいことです。
海の幸、山の幸がバランス良く取り入れられていて、秋の味覚も随所に。
目にも美しく、カラダに優しく、口に良し・・・
農作物の収穫をお祝いするこの日にぴったりの、素晴らしいお供え物です。
もちろん、お味の方も素晴らしかったです。
貴重な行事に参列させていただいた上、パワースポットでエネルギーチャージ、
さらには栄養バランスの摂れた美味しいお弁当や紅白まんじゅうまでいただけるなんて、
強烈な冷え込みの中、出かけた甲斐がありました。
農作物の収穫を祝い、転じて働く人たち(&働けること)に感謝するためのこの日、
原因も分からぬままとはいえ、我が国では幸いにも感染拡大が沈静化しています。
そんな今だからこそ、なおさら、
これから訪れる寒さに向けて、しっかり健康管理に努め、元気で幸せな日々を過ごすこと、
そして私を支えてくださる方々にもそうあっていただくために、
今後も微力ながら、全力を尽くしていきたいと誓った1日でした。