「三伏(さんぷく)」とは・・・【自然医科学研究所】
2023/08/10
『拝啓 三伏(さんぷく)の候...』
昔の暑中見舞いは、このような時候の挨拶で始まるものだったそうです。
「三伏」とは、一年で最も暑い約 40日間を、さらに3つに分けたものですが、
夏の陽気が最も盛んな時期であり、秋の気配を降伏させるという意味があります。
具体的には、夏至以降の三つの庚(かのえ)の日をさし、2023年の三伏は
初伏(しょふく):7月11日から7月20日 夏至以降3度目の庚の日 梅雨または梅雨明け前
中伏(ちゅうふく):7月21日から8月9日 夏至以降4度目の庚の日 梅雨明け頃から立秋すぎ
末伏(まっぷく):8月10日から8月19日 立秋後の最初の庚の日
となります。三伏日の各初日は、旅行・婚姻・種まきを忌む日とされています。
とにかく暑いので、つい冷たいものを口にしたくなったり、
エアコンのきいた部屋にこもって身体を冷やしすぎたりしがちな時期ですが、
東洋医学では、「冬病夏治(とうびょうかち)」という言葉があります。
陽気が盛んな暑い時期だからこそ、温かい食べ物や飲み物を摂取してカラダを温め、
冬場の不調を治すという考え方です。
これについては「冬病夏治」とはをご覧ください。
夏は陽気がピークに達し、気血の流れが活発になります。
すなわち、人体にとって新陳代謝が最も盛んになる時期ですが、
特に 「三伏期」は、人体の経絡と血液が充満し、毛穴が開くため、
入浴や適度な運動で発汗を促すことにより、体内に沈着した冷えを追い出し、
陰陽のバランスを調えることができるのです。
中国には「三伏貼」という、この時期の治療に使う独特の膏薬もあるそうですよ。
諸病によく効くそうなので、試してみたい気もしますが、
まずは食養生と、この時候にあった生活習慣により、「冬病夏治」を実践して、
過酷な暑さを乗り切るだけでなく、秋も冬も健康に過ごしたいものです。