「立夏」(りっか)に食べるものは・・【自然医科学研究所】

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立夏に食べるものは・・・【自然医科学研究所】

立夏に食べるものは・・・【自然医科学研究所】

2023/05/06

 数年ぶりに行動制限のない大型連休も終盤に入りました。

 新緑が眩しい今日この頃、二十四節気では5月6日より「立夏」(りっか)となりました。
春分と夏至のちょうど中間にあたりますが、七十二候では、

   5月 6日から10日は 「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」
   5月11日から15日は 「蚯蚓出(みみずいづる)」
   5月16日から20日は 「竹笋生(たけのこしょうず)」

のように、名実共に「夏の始まり」を告げるものとなっており、
動き出したくてウズウズしていた自然界の様子が伝わってきます。

 晴天の日が多く、湿度が低くて風は爽やか、天候が安定して過ごしやすい時候ですが、
今年は急に雨になったり、風の強い日も多いので、肌寒く感じられたり、
逆に蒸し暑く感じられる日もありますね。

 

 そんな立夏の頃に旬を迎える野菜の一つに、エンドウがあります。
エンドウマメを早めに収穫したものが、穀雨の頃に旬を迎える さやえんどう で、
大きくなったエンドウマメの実の部分は、グリーンピースと呼ばれます。
グリーンピースを品種改良し、成長してもさやが固くならず、
さやごと食べることができるようにしたものは、スナップエンドウと呼ばれます。
そして、大きく成長したエンドウの若い葉と茎の先端を摘んだものが、豆苗です。

 この豆苗を食べる風習は、中国から伝わったとされていますが、
収穫される量も時期も限られるため、高貴な方々や、
お正月などの特別な行事の時にしか口に出来ない、希少品であったそうです。

 日本には、 1970年台の国交回復後に伝わったとされますが、
今の日本では手軽に手に入り、葉や茎を食べた後、
根っこの部分を水に浸しておけば、脇芽が伸びてきてまた食べられるので、
庶民のありがたい食べ物、という扱いになっていますね。(笑)
実際、我が国では 2008年のリーマン・ショック以後、豆苗の需要は急速に伸びているそうです。

 

 同じ植物なのに、成長の過程や食べる部位によって、
何通りもの名称がある野菜って、面白いですね。そして奥が深いです。

 

 そんな、マメ科エンドウ属の植物から採れる野菜には、豊富な栄養素が含まれています。
ビタミンEやビタミンK、葉酸やビタミンCも豊富で、β-カロテンを含めたこれらの栄養成分は、
一般的な緑色葉物野菜(ホウレンソウ、小松菜、春菊、ニラ)の含有量を上回るほどです。

 中医学的には、氣を補い、脾胃(消化器)の機能を調える働きがあるため、
上腹部の張りやつかえ、吐き気などを改善することができます。
また、利水作用があり、体内の余分な水を排出してくれる働きもあります。

 このように、優れた健康効果を持ちながら、他の豆類に比べ、低カロリーなのも魅力的です。

 汗ばむ陽気の日も増えてくるこの時期、つい冷たいものを口にしたくもなりますが、
エンドウ属の野菜たちは、強い味方となってくれそうですね。

  ちなみに、立夏の時期にきれいな花をつけるスイートピー(sweet pea)の名の由来は、
「香りのよいエンドウマメ」だそうです。
同じマメ科植物で、その花がエンドウの花に似ているからのようです。

 

 旬の野菜であるエンドウ属の野菜や、咲き誇る美しい花々の恩恵に預かりながら、
来る暑い季節に備えて、心身の健康を調えつつ、
心穏やかにこの時期を過ごしたいと思う今日この頃です。

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