春分に食べるものは・・・【自然医科学研究所】
2023/03/21
二十四節気が啓蟄から春分へと変わりました。
今年の「春分の日」は3月21日です。
この日から4月4日頃までが、二十四節気の春分となります。
日本では、「春分の日」は国民の祝日に定められています。
「彼岸の中日」とも呼ばれるように、この日を中心とした一週間を「お彼岸」として、
先祖のお墓参りをするという日本独自の習慣があります。
「春分の日」は、太陽が真東から昇り真西に沈む日で、昼夜の長さが同じになりますが、
昔は極楽浄土は西の彼方にあると信じられていたため、
太陽が真西に沈むこの時期は、先祖と通じ合える日とされていたからのようです。
「暑さも寒さも彼岸まで」という言葉があるように、
寒気もようやく和らぎ、春らしく暖かな日が多くなる候ですが、
今年は気温変化が激しいので、油断は禁物ですね。
春のお彼岸には「自然をたたえ生物をいつくしむ」という意味もあります。
ヨーロッパなどでは、この春分をもって春の始まりとしていますが、
実際、春分の期間の七十二候は、
3月21日から 25日は 「雀始巣(すずめはじめてすくう)」
3月26日から 30日は 「桜始開(さくらはじめてひらく)」
3月31日から4月4日は「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」
のように、まさに自然界の「春の始まり」を告げるものとなっており、
寒かった冬を思えば、なんだかウキウキしてきますね。
ただ、最近は桜の開花が早くなっているので、
「桜始開(さくらはじめてひらく)」の頃には、満開か、
すでに散り始めている地域も多くありますが。
春分の頃には、春先特有の食材も店頭に多く並ぶようになってきています。
ふきのとう、わらび、ぜんまい、たけのこ、つくし・・・
これらに共通した特徴は、苦味があることです。
苦手な人も多いかもしれませんが、冬の間に溜まった毒素をデトックスするために
苦味のある食材は、一役買ってくれるのです。
自然界の恵みを上手に採り入れ、一層の健康向上を目指し、
春を満喫したいものですが、日本では春分に昔から食べる習慣がある食べ物があります。
その代表が、ぼたもちではないでしょうか?
ぼたもちの材料である小豆には、古来より魔除けの力があるとされ、
おもちは五穀豊穣を意味することから、
春のお彼岸には、ご先祖様への供養としてお供えされてきました。
それって、おはぎじゃないの?と思われるかもしれませんが、
ぼたもちは漢字で「牡丹餅」と書き、春の花である牡丹がその名の由来であるのに対し、
おはぎは秋の花である「萩」が名前の由来であることから、
食べる季節によって区別するのが正しいようです。
実際、作り方も少し違い、ぼたもちは丸型の餅にこしあんを、
おはぎは俵型の餅に粒あんをくるんでいましたが、
現在では、ぼたもちも「おはぎ」として売られていることが多く、
名前も作り方も、両者の区別は曖昧になってきているようです。
また、日本ではお盆に、精進料理をお供えしたり食べたりする風習がありますが、
お彼岸にも、ご先祖様の供養とともに精進料理をお供えします。
「自然をたたえ生物をいつくしむ」春のお彼岸の意味を考えると、当然だと思われますが、
この風習も最近はあまり重視されていないように感じます。
他に、春分の日には、彼岸そばや彼岸うどんを食べる習慣のある地域もあるようです。
いずれにせよ、これから夏至まで、毎日少しずつ日が長くなり、
自然界も人々も、活動的になります。
自然界の恵みに感謝しつつ、旬の食べ物を中心にしっかり栄養補給を行い、
健康管理に留意して、実も心も晴れやかに、アクティブにいきたいものですね。