水始涸 (みずはじめてかるる)・・・【自然医科学研究所】
2022/10/06
今年の彼岸の中日は9月23日でした。
その日からの15日間が二十四節気の「秋分」(しゅうぶん)です。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、今年はお彼岸を過ぎて10月に突入しても、
当地では日中 30℃を越す真夏日の連続でした。
その「秋分」も終わりに近づき、七十二候の末候「水始涸 (みずはじめてかるる)」となりました。
稲穂が実りの時を迎えるこの時季は、田んぼの水を抜いて田を乾かし、稲刈りに備えるのです。
農家の人たちが丹精込めて育ててきた稲たちは、たわわに実った頭を風に揺らしながら、
一面に黄金色の風景を見せてくれます。
飽食・日本を象徴する美しい秋の風物詩とも言えるでしょう。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」との格言は、稲が実を熟すほど穂が垂れ下がるように、
人も学問や徳が深まるにつれて、謙虚になることを表しています。
しかし、実際のところは、どうなのでしょうねえ?
どうもそうはならない方々が多すぎるような・・・
稲穂から収穫される「お米」は、
いうまでもなく、日本人の主食であり、主要な農産物でもあります。
小麦や大麦が涼性なのに対し、米は平〜温性で、カラダを冷やすことなく、
必要なエネルギーを私たちのカラダに与えてくれます。
白い部分だけでなく、外側の「糠(ぬか)」の部分にも豊富な栄養素が含まれているので、
できれば玄米か、七部づき、五部づきくらいで食べる方が、
より自然界の恩恵を受けることができますね。
中華料理のメニューにもある「おこげ」は、香ばしくて美味しいですが、
消化器系を補ってエネルギーを与えたり、消化を促進する作用、
消化不良などによる下痢を止める働きもあるので、
胃腸の具合が良くない時にもオススメです。
日本人に生まれ、「お米」を普通に口にすることのできる日常に感謝しつつ、
「実るほど頭を垂れる」稲穂の姿勢を見習って、
常に謙虚さを忘れないよう心掛けたいものです。