牡丹華(ぼたんはなさく)・・・【自然医科学研究所】
2022/05/02
4月20日から始まった穀雨(こくう)も、最終候となりました。
4月30日からの 5日間は、七十二候の牡丹華(ぼたんはなさく)となります。
牡丹は、晩春から初夏にかけて、上品な香りと共に、直径10~20cmの豊麗な花をつけます。
紅・淡紅・白・紫など様々な色のものがありますが、。
牡丹は、中国では国花として崇められ、「富貴草」「百花王」「花王」「花神」などの別名があります。
他にも、”この世のものとは思えない美しさと香り” を意味する「天香国色」や、
20日ほど花を楽しめることから「二十日草」の異名も有します。
そんな牡丹ですが、日本には薬草として伝わリました。
ボタン Paeonia moutain SIMSの根皮は牡丹皮(ボタンピ)と呼ばれ、
清熱凉血薬として、温熱病や婦人病に使われます。
性味は苦、辛で、味の方はイマイチですが、心、肝、腎に作用し、
清熱涼血、活血散瘀の作用を有します。
微寒性で退虚熱の効能を持つため、温熱病による発斑疹や吐血、
婦人の無月経や生理痛に効果を発揮します。
他には、打撲・捻挫による内出血にも用いますし、
解毒作用を有することから、癰腫瘡毒および内癰に用いることもできます。
その美しさと拡張高さから、我が国では、平安時代には宮廷や寺院で観賞用として栽培され、
絵画や着物のモチーフとしてもよく登場する牡丹ですが、
美しさだけでなく、種々の薬効を持ち合わせているなんて、
まさに理想の植物と言えるのではないでしょうか。
そんな牡丹の花言葉は、まさに「王者の風格」であります。
牡丹にあやかり、常に気品を保ちつつも、人々の役に立つような生き方を心がけたいものです。