「冬至」とは・・・【自然医科学研究所】
2020/12/21
本日12月21日は「二十四節気」の22番目、冬至です。
冬至とは「日短きこと至る (きわまる)」という意味で、
太陽黄径は270度、北半球では日照時間が一年で最も短い日です。
冬至は太陽のエネルギーが一番弱まった日ですが、
言い換えればこの日を境に再び勢いを増してくることから、
太陰太陽暦(いわゆる旧暦)ではこの日を新しい年の始まりととらえ、
暦を計算する上での起点となります。
中国の「易経」では、冬至は一陽来復(いちようらいふく)とも呼ばれます。
これには、新しい年の到来という意味の他に、良くないことが続いた後でも運が開ける、
という明るい意味も込められているのです。
我が国では、冬至の前後2カ月間、
伊勢神宮の宇治橋と鳥居の丁度真ん中から朝日が昇りますが、
それはそれは神々しい光景が見られるそうです。
冬至を「太陽が生まれ変わる日」ととらえ、
古くから世界各地で冬至の祝祭が盛大に行われていました。
中国では、新年の始りとして、冬至に先祖を祀る習俗がありましたが、
世界各地でも、冬至を「太陽が生まれ変わる日」ととらえ、古くから祝祭が行われてきました。
私たちも、冬至には「太陽とともに自分たちの生命力も強くなるように」
「運気が向いてくるように」と願いを込めて、
行事食をいただきたいものです。
冬至の行事食としてはカボチャ (南瓜 =なんきん) が有名ですが、
これには「北 (陰)から南(陽)に向かう」という意味があり、
運気の向上を呼び込む食材とも言われます。
栄養学的にも、ビタミンAや β -カロチンなどの栄養素が豊富なカボチャを寒い時期に食べると、
風邪や中風 (脳血管疾患) の予防になるといわれています。長期保存がきくのも嬉しいですね。
カボチャは、そのまま蒸したり茹でたりしても甘くて美味しいですが、
スライスして天日に干してから調理すると、甘さも栄養価も増します。
調味料による味付けもなしで、美味しく幸せな気分でいただけますよ。
カボチャ以外にも、冬至には「ん」=「運」がつくものを食べると、
幸運が呼び込めると言われています。
ニンジン、レンコン、大根、ミカンなどなど・・・
いずれもカラダを温め、寒邪から守ってくれる食材ですね。
冬至には、柚子湯につかる風習もあります。
柚子の強く爽やかな香気が邪気を払い、心身を清めて、リラックス効果もあることから、
柚子湯の由来は、邪気払いだと考えられています。
また、柚子の皮には血行を良くして、冷え予防が期待できることから、
「冬至に柚子湯に入ると風邪をひかない」と言われています。
暗くて寒いイメージのある「冬至」ですが、実はすごく重要な意味を持つ日なんですね。
行事食=健康食 と言われますが、それを食べることにこれほど意義のある日も、
仲々、他にはないのではないでしょうか?
とは言え、健康管理の難しい時候であることには違いありません。
ましてや、世界的なパンデミックがまだまだ拡大の兆しがある中、
今年の冬至は例年以上に、先祖に感謝し、健康と安全を願い、
来たるべき新しい年の平穏を祈りつつ、
カラダに良いものを食べて過ごしたいものです。