「秋の睡眠の日」でした
2022/09/30
9月は、健康関連の記念日が多い月です。
大腸がん検診の日(1日)、秋の睡眠の日(3日)、救急の日(9日)、心・血管病予防デー(18日)、
世界アルツハイマーデー(21日)、結核予防週間 (25日〜)、世界狂犬病デー(28日) etc....
食育の日(19日)というのもありますね。
何についてお話ししようか迷うところですが、
『「睡眠の日」って知っていますか?』(2022/03/24)
でお約束しましたとおり、今日は『秋の睡眠の日』についてお話しすることにしますね。
「秋の睡眠の日」って?
「睡眠の日」は、睡眠についての正しい知識の普及と国民の健康増進への寄与を目的に、
睡眠健康推進機構が日本睡眠学会との協力によって制定したものです。
睡眠健康推進機構とは、公益財団法人精神・神経科学振興財団が創立20周年の記念事業として立ち上げた
「睡眠健康推進事業」を遂行するために、日本睡眠学会と共同で2011年4月に組織した機構です。
3月18日を「春の睡眠の日」、9月3日を「秋の睡眠の日」と定めていますが、
それぞれの日をはさむ前後1 週間を「睡眠健康週間」として、
睡眠を通して国民の「生活の質(QOL)」の向上や規則正しい生活リズムの確立につなげていく
さまざまな運動が展開されます。
(https://www.wacoal.jp/pw/suyasuya/201701/column7.htmlより引用)
そのような機構や事業が立ち上がるということは、
それだけ睡眠について悩みを抱える人が多いということでもあり、
またその悩みを改善し、誰もが快適な睡眠を手に入れることは、
現代社会の必須の課題であることの証左でもあります。
「睡眠の日」って知っていますか?(2022/03/24)では、
主として睡眠と光の関係について述べました。
関係するホルモンについても触れました。
しかし、私も含めて、それらのことを知り、対策を講じても、
仲々、睡眠の改善にはつながらない人が多いのも事実です。
そして、『日照時間が短くなってくると・・ 』(2020/11/28) でも述べましたように、
これからの季節、睡眠に関するお悩みは、より深刻さを増すことにもなってしまいます。
一口に「不眠症」「睡眠障害」と言っても、実はさまざまなタイプがあります。
人によりその「不眠症」「睡眠障害」の背景にある原因が違うのです。
ありきたりの方法で睡眠のお悩みが改善される場合もあるでしょう。
それに越したことはありませんが、それでうまくいかない場合は、
自分のタイプ・原因を突き止め、自分に合った「睡眠改善法」を施さなければ、
良い結果にはつながりません。
そこで、対症療法ではなく、
カラダを一つの有機体と捉えて全身を診て(整体観念)、
陰陽のバランスを調え、氣の流れを良くして自然治癒力を高めるという
中医学的視点が必要になってきます。
「不眠」の中医学的弁証
〜解決には不眠のタイプを知るところから
中医学では、「不眠症」の原因について、
主に心、肝(胆)、脾(胃)、腎の機能異常と関係すると考えます。
そして、多くの疾患同様、不眠も【実証】と【虚証】に分類します。
【実証】の不眠のメカニズムは、
七情失常 → 肝鬱化火
五志過極 → 心火亢盛
飲食不節 → 食滞痰熱(胃気不和)
もしくは、痰熱内擾
であり、心、肝(胆)、脾(胃)に原因があることがわかります。
また、上記によって擾乱心神が起きることから、眠れなくなります。
他方、【虚証】の不眠のメカニズムは、
思慮労倦(暗耗心血)→ 心脾両虚
(素体虚弱)驚恐所傷 → 心虚胆怯
などにより、心神失養が起きる場合や、
陰虚火旺 → 心腎不交(水火未済)
腎陰虚 → 心陽亢盛(水不済火)
などにより、擾乱心神・心神失養となって、不眠が起きます。
臓腑としては心や腎が関係しており、陰虚不足によって「心腎不交」、
すなわち心と腎が上手く「交通」しなくなると、不眠が起きてしまうということです。
西洋医学では、心臓と腎臓は、
離れた場所にある全く機能の違う別の臓器という扱いですが、
人体を一つの大きな有機体と捉える中医学では、密接な関わりがあることがわかります。
中医学では「不眠症」「睡眠障害」として十把一絡げに扱うのではなく、
これだけ細かく弁証するのですから、当然、治療法も各々違ってきます。
まずは、自分がどのタイプの不眠・睡眠障害に該当するのかを知ることが
必要であることはいうまでもありません。
ここまでは、完全に復習になります。
では、どうやって判断し、そしてどんな対処をすれば良いのか?
について、簡単にご説明しますね。
自分のカラダのどこに変化が起きているのか、陰陽のバランスが崩れているのかを
機械も道具も使わず、簡単にチェックする方法として、脈診と舌診があります。
これらは、自分の手と目だけを使って、瞬時にその時点のカラダの状態を把握できる
優れた診断法として語り継がれてきたものですが、
たとえば、古代の人は、妊娠したかどうかや、胎児の性別まで、
妊婦の左右の手の脈(6箇所)を診る(脈診)ことにより当てていました。
また、舌診は、舌を診るだけで良いので、
いつでもどこでも簡単に自分の健康状態を把握することができます。
脈診と舌診について、ここで詳しく説明するにはとても時間が足りませんが、
ご興味がおありの方は、『中醫学・医学氣功・食養生学アカデミー』 (SERVICE02)
で詳しくお伝えすることができます。
ニーズに応じた個別のプログラムを組ませていただくことも可能ですので、
どうぞお気軽にお問い合わせください。
また、ご自身の睡眠障害のタイプをカウンセリング(オンライン可)により
ご説明させていただきながら、ご希望に応じて簡単にレクチャーさせていただくことも可能です。
自分の「不眠症」「睡眠障害」のタイプが分かれば、
それに応じた食養生により、カラダのバランスを調えることが必要となります。
しかし、食生活の改善だけでは時間がかかってしまうのも事実です。
そこで、中医学では、鍼、灸、すいな、氣功などの外治による方法を併用したり、
漢方薬や健康茶を飲用する方法が用いられます。
よく用いられる漢方薬としては、以下のようなものがあります。
【実証】
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)... イライラ、興奮、のぼせ
抑肝散(よくかんさん)... 神経過敏、イライラ
【虚証】
酸棗仁湯(さんそうにんとう)... 精神不安、疲れすぎて眠れない
帰脾湯(または加味帰脾湯)(きひとう、かみきひとう)... 疲れて元気がなく、動悸や物忘れを伴う
【虚実混合証の入眠障害】
加味逍遙散(かみしょうようさん)... のぼせ、肩こり、疲労感、イライラ、不安 (婦人の更年期障害にも)
【虚実混合証の熟眠障害】(中途覚醒)
抑肝散(よくかんさん)...(認知症の興奮症状軽減にも)
これら以外にも、もちろんたくさんの漢方薬が考えられますが、
ご自身にどれが適用となるかを決めるにあたっては、
繰り返しになりますが、カウンセリングによる正しい弁証が必要となってきます。
また「いいのはわかるけど、漢方薬はちょっと苦手 ...」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
そのような方には、あなたの症状に応じて必要な生薬をブレンドした
オリジナルブレンド健康茶 をオススメいたします。
「美味しく飲んで、知らず知らずのうちに体質改善ができる」と、
ご好評をいただいております。
睡眠薬にすがるのでなく、自分の睡眠障害の本質を知り、本気で解決したい方は、
どうぞご遠慮なく、何なりとお問い合わせくださいませ。
私も、睡眠に関しては、幼少時よりずっと悩みを抱えてきました。
こんな私だからこそ、あなたのお悩みに寄り添い、
あなたにとって最適なアドバイス(オンライン可)をさせていただけるものと確信します。
ご自身の睡眠障害のタイプを知り、治すことにより、快適な眠りを手に入れて、
健康ではつらつとした人生を目指しましょう。