ノーベル賞 week に思う -2
2020/10/16
学問の秋ー相次ぐノーベル賞受賞者発表
生理学・医学賞に続いて、ノーベル物理学賞が発表されました。
これまで多くの日本人受賞者を出してきた物理学賞ですが、
今年は、ブラックホールを証明した米・英国の3氏
(うち女性1名)が、その栄誉を手にしました。
この分野に関しては門外漢の私ですが、
「ブラックホール」と聞いて、「車椅子の天才」こと
スティーヴン・ホーキング博士のことが頭をよぎりました。
21歳で、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病
筋委縮性側索硬化症(ALS)を発症し、
余命2年と宣告されながら、
その後 55年余りにわたって、
数々の優れた理論物理学研究業績や、
政治的発言を遺してこられた方でした。
近年、iPS細胞によって
ALSの進行を遅らせることに成功したという研究成果が発表され、
治療にも応用できる可能性が示唆されています。
自分とは専門を異にする科学分野の進歩について、
ホーキング博士は、「細胞そのものが宇宙なのです」と、
生命科学分野の研究の奥深さについて熱く語っておられました。
残念ながら、2018年3月に天に召された博士ですが、
今回の3氏のノーベル賞受賞の報に接し、遠いところから、
どのようなメッセージを発せられたでしょうか。
もしもご存命なら、氏の同時受賞もあったのでは・・
そして、あともう少し、生きながらえておられたなら、
ALS も治癒できる病になっていたかも・・・
また、かねてから、気候変動や感染病、人口増加等、
自然界に負荷を与えるすべての現象が、
地球上でのわれわれの生存に大きな脅威をもたらすと
予測してこられたホーキング博士なら、
COVID-19の脅威にあたふたする世界の現状や、
今後の科学のありようについて、
どのような批評や示唆を与えてくださったでしょうか・・・
などなど、受賞内容とはあまり関係のないところで、
色々な思いを巡らせてしまう私なのでした。
写真;イベントホライズンテレスコープにより撮影された M87中心部の超大質量ブラックホール(2019年4月10日13時 (UTC) に公表。)(Wikipedia より引用)