桃始笑(ももはじめてさく)・・・【自然医科学研究所】
2022/03/10
2022年3月5日から春分までの間は、二十四節気の『啓蟄(けいちつ)』です。
啓蟄とは虫が冬眠から目覚め活動を始める頃という意味です。
そして、2022年3月10日からの5日間は、七十二候の『桃始笑(ももはじめてさく)』となります。
文字通り、桃のつぼみが開き、花が咲き始める頃という意味ですが、
昔は “咲く”という言葉を“笑う”と表現したのですね。
たしかに、短い花柄の先に、桃のつぼみがゆっくりと開く様は 、ほほ笑んでいるようにも見えますし、
あるいは、見ている人を自ずと笑顔にさせてくれるという意味なのかもしれませんね。
この時期の行事としては、3月13日に奈良の春日大社で「春日祭(かすがさい)」が行われます。
これは嘉祥2年(849年)に始まったと伝えられる伝統行事で、
宮中より天皇陛下のご名代である勅使の参向を仰ぎ、国家の安泰と国民の繁栄を祈るものです。
朝晩の気温格差が大きく、アレルギーの出やすい時期でもあり、体調管理の難しい時節でもありますが、
新タマネギ、春キャベツ、新ジャガイモなど、柔らかくて幸せな気持ちにさせてくれる野菜類や、
冬の間に溜め込んだ毒素をデトックスするにも良い苦みのある食材(山菜など)が、
冬野菜類と競い合うように店頭で自己主張していますね。
魚介類では、「春告魚」の異名をもつニシンやサヨリ、小ダコ、ホタルイカなどが美味しいですね。
いずれも、不安定になりがちなこの時期の体調をサポートしてくれる食材です。
日中は春の日差しが感じられるものの、朝晩の冷え込みはまだこたえるこの時候、
パンデミックの方も終息はまだ先のような気配ですが、
比較的短期間しか手に入らないこの時期の旬の食材をしっかり摂り入れ、
一層健康管理に努めて、元気で本当の春を迎えたいものですね。