立秋(りっしゅう)です・・・【自然医科学研究所】
2021/08/07
8月7日は立秋です。正確には、次の節気「処暑」までの15日間のことをさします。
太陽黄径は135度で、まだまだ日中は暑い日が続くものの、昼間はだいぶ短くなってきます。
大暑から数えて15日目頃で、暦の上では秋とはいうものの、残暑厳しき候でもあります。
そう、この日から、暑中見舞いではなく、残暑見舞い切り替わります。
出すのは8月末までにしたいものですが。
立秋は、各地で夏祭りが開催される時期でもあります。
毎年8月16日の夜、京都で行われる精霊送り、「五山の送り火」などが有名ですが、
昨年来、パンデミックの影響で、多くの人が集う華やかな催しは、
規模縮小されたり中止となっているものがほとんどで、ちょっと寂しいですね。
よくよく観察してみると「秋の気配が立つ」という意味である立秋には、
どこか秋の気配を感じることもあります。
涼やかな風が吹いたり、空を見上げると巻雲など秋の雲が見えたり、
秋の蝉であるヒグラシが鳴き始めたりします。
今年は、記録的に早い梅雨入りだったせいか、梅雨明けも例年に比べると早かったですが、
梅雨入りと梅雨明けを「梅雨の時期に関する気象情報」として発表している気象庁によると、
「梅雨明け宣言」は立秋までとされており、長梅雨で立秋までに明けない場合は、
「梅雨明け宣言なし」となります。
夏の疲れが出てくるこの候には、
ところてん、スイカ、とうもろこし などを食べると良いと言われています。
ところてんは、平安時代には宮廷や貴族の人々が口にする贅沢品であったといわれていますが、
江戸時代以降は庶民も口にできるようになり、現在はダイエット食としても人気があります。
海藻を煮て溶かしたものを、冷やし固めて作るため、食物繊維が多く整腸作用があることに加え、
三杯酢や黒蜜をかけていただくことにより、
固渋(汗の出過ぎを止める)や益氣といった作用も期待できます。
スイカは、「天然の白虎湯」と呼ばれるほど、夏バテには効果のある食べ物です。
暑熱(による発熱)をおさめ、のどの渇きを止め、いらいらする症状を取り除く作用があります。
多汗・のどが渇く・水分をたくさん摂りたがる 等の症状がある時には、超オススメです。
利尿作用もあります。
とうもろこしには、熱を取り除き、利尿により湿を排出する作用があるため、
むくみに効果がありますが、 この利尿作用はヒゲにも含まれています。
「とうもろこしのひげ茶」なるものも売られていますが、
自宅で皮付きのとうもろこしを調理した場合は、ひげも捨てずに活用したいものです。
弱っている脾の働きを高め、肺を補益する作用があり、
少腹(臍より下の側腹部)の疼痛、腹部の膨満感、下痢、排尿困難や排尿痛、尿が濃い黄色、
などの症状にも効果を発揮するという、まさにこの時節にはうってつけの食材です。
暑い、暑いと言って冷たい物に手を出すのでなく、
これら自然界の恵みを上手に摂り入れることにより、
夏バテとは無縁の健康なカラダで、来る秋を迎えたいものですね。